- 10月
- 2024年11月
アメリカ合衆国大統領を決める大統領選挙。アメリカ2020年11月3日(現地時間)の投票日からずっと開票作業が続き、かなりの僅差になった州も多く、なかなか結果が出てきていませんでしたが、とうとう民主党のバイデン候補に決まったようです。少なくとも投票結果を数えた上での選挙人の人数では。
バイデン候補はさっそく勝利宣言を行ない、「分断ではなく、結束をめざす大統領になる」と宣言しました。
現職のトランプ大統領の方は「バイデン氏は勝者を装うことを急いでいる。選挙はまだ終わっていない」と述べて、法廷闘争も含めて戦い続けるということを宣言しているようです。
過去の大統領選挙では、選挙期間中は激戦を繰り広げ、舌戦により険悪な状態に陥ったとしても、結果が出たときにはしっかりと敗北を認め、勝者を称えるように切り替えていました。トランプ大統領は、これまでの4年間の行動も含めて過去の常識に囚われない破天荒な人物だということを改めて示しました。
You can do this, @realDonaldTrump. It is important to do it gracefully. https://t.co/LqKaJnAy2S pic.twitter.com/1ClP2J8ZUU
— New York Times Opinion (@nytopinion) November 7, 2020
上記はニューヨークタイムスが、「敗北を認めることはとても辛いことではあるが、勝負には勝者がいれば、必ず敗者もいます。受け入れがたいことだけれども、良い敗者になろう。今がその時ですよ、トランプ大統領。」と問いかけた映像です。
これからトランプ大統領がどのような行動をしていくのかは予測できませんが、できればアメリカ国民の分断が少しでも収まることを願っています。
さて、今回のアメリカ大統領選挙の投票率は、過去最高の60%台後半から70%に達する可能性もでてきたとのことです。コロナ禍にあって、郵便投票と期日前投票を合わせて約1億票という票が別集計されていたのが、長引いたひとつの原因だったようです。
電子投票はできないのか
ひとつ疑問に思ったのは。IT先進国であり、世界規模のIT事業者がいるアメリカにおいても、電子投票というのはできないのでしょうか。郵便というのは、途中で改ざんできる可能性があり、サインで確認といっても実際に本人のサインかどうかというのはなかなか開票所において判断ができないのではないでしょうか。だからこそ、トランプ大統領も不正だということで訴訟までしているくらいです。
この記事を読む限りは、過去にもトライしたけれどもいろいろあって止めたようです。テクノロジーで安全性を保とうとすると、テクノロジーでそれを破るということが論理的には可能になりますから、なかなか実施が難しいのかもしれません。そこについてはテクノロジーで解決していくしかありません。
私としては本人確認と、そして本人の意思をどのように担保するかというところがポイントかなと思いました。
本人確認はその名の通り、本人が投票しているかどうかをどのように担保するかということです。これは生体認証などでクリアできるかなと思います。
しかし、その次の本人の意思をどのように担保するか、というところが実際問題はとても難しいのかなと思っています。
たとえば、前回の選挙でも言われていた「隠れトランプ支持者」というのが存在しているとして(真相は定かではありません)、みんなの前では「トランプはヒドイからヒラリーに投票する」と宣言していても、実際にはいくつかのポイントで投票所ではトランプ氏に投票をするということがあった場合、集団で集まって投票活動をしようというようなことが起こりえるため、誰に投票するのかを見られてしまう可能性があるということです。
アメリカは特に、民主党共和党の二大政党がアメリカの政治のほとんどを決めているため、有権者側も2つのどちらかというように分かれている場合があります。そして、その連帯感が重視され、また排他的になりがちです。そうすると、上記のように選挙活動はみんなで集まって一斉に投票すべきという同調圧力が生じると想像します。その時に、本当に自分が投票したい人に投票することができるのか、というのが大きなポイントではないかと考えています。
これはなかなかテクノロジーでは解決しづらい問題です。投票時にカメラで周りに人がいないことを投票の条件にするというようなことが思い浮かびますが、技術的に可能なのか分かりません。
ただ、何かしらの方法で解決して、投票所に行くことや、郵便投票の手続きをする煩わしさを排除して、少しでも多くの国民が投票できるように整備をしていく必要があるのは間違いありません。
アメリカ大統領選挙が盛り上がる理由
日本の国政選挙の盛り下がり方から考えると、ニュースを見ていてもアメリカ大統領選挙の白熱ぶりは目を見張るものがあります。これは日本は首相を直接的に選ぶ選挙ではなく、衆議院議員を選び、その議員たちが自分たちの意思で首相を選出する間接民主主義制度となっていることが原因と言われています。
アメリカ大統領選挙も選挙人を選んで、選挙人が投票して最終的に大統領を決めるので、間接的に見えますが、選挙人は基本的には大統領選挙の投票結果に従って投票しますので、実質的には有権者が直接的に大統領を選択しているとも言えます。
とはいえ、それだけでなくアメリカ国民は政治について一家言持っている人が多く、前述のような政党の支持も明確にしている人が多いように思います。
先日、Apple TVで観た「ボーイズ・ステイト」という映画がその理由のひとつを表わしているように思います。
この映画はテキサス州全土から集まった10代の少年たちが擬似的な選挙を行ない、州政府を一から構築するという政治キャンプの様子を描く作品です。
2つのチームに分かれて、自分たちの主たる政策を議論して決めて、ディベートにて対抗するチームを論破していくためにどのようにしていくのか。人種や思想を超えて団結し、戦い、勝敗が付いたらお互いを認め合う少年たち。最後まで認められない人もいたりして、本当にアメリカ社会の縮図のように感じました。
このようなことがアメリカでは若いうちから実施されていれば、政治についても深い知識があり、選挙でもしっかりと主張としての投票を行なうのだろうと思いました。
日本では、年齢がきたら投票の権利を得て、なんだか分からないままに投票をしろと促されて、特に主義主張を吟味するのではなく、人気があるかどうか、耳障りが良いわかりやすい主張があるかなどで投票するようになります。
ここらへんが、日本は政治談義が拡がらなくなってきている、投票率も下がり気味な原因なのかもしれません。
★
アメリカ大統領選挙においては、特にどちらの候補を応援しているということはありません。ただ、やはりトランプ大統領の型破りなところは、苦々しく思う人もいる反面、直接的な表現や行動に、これまでの政治家とは違う、自分たちと同じ目線の人だと感じる人もいたことでしょう。その意味では、異質ではありながらも、アメリカの人たちの心を掴んだ大統領ではあるのだろうと感じました。
これから、バイデン大統領の時代になって、どう変わっていくのか。中国との関係はどうなっていくのか、その中で日本はどのような立場で生き抜いていくのか。私たちにできることは何でしょうか。
あわせて読みたい
このブログを書いたスタッフ
プレジデント
ほっしぃ
音楽からMacの道に入り、そのままApple周辺機器を販売する会社を起業。その後、オリジナルブランド「Simplism」や「NuAns」ブランドを立ち上げ、デザインプロダクトやデジタルガジェットなど「自分が欲しい格好良いもの」を求め続ける。最近は「24時間365日のウェアラブルデバイス|weara(ウェアラ)」に力を注いでいる。
コメントを投稿
ログイン
登録
他のサービスIDでログイン
Log in with Facebook Log in with Twitter Log in with Googleログインせずに投稿する場合には名前とメールアドレスを入力してください。
管理者の承認後、コメントが表示されます。